ハムストリングスの肉離れは、太ももの裏側にある筋肉(ハムストリングス)が過度に引き伸ばされたり、急激な動作によって部分的に損傷する状態です。ハムストリングスは、主に大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋で構成され、歩行や走行、ジャンプなどの動作に重要な役割を果たします。

症状

  • 突然の痛み(一般的には強い痛み)
  • 腫れや内出血
  • 筋肉が硬く感じる
  • 動作が制限される(特に足を曲げる、伸ばす動作が困難)
  • 歩行時の違和感や痛み

原因

  • 急な方向転換やスピードの変化
  • 過度なストレッチ
  • 筋肉の疲労や準備運動の不足
  • 筋力の不均衡や柔軟性の欠如

治療法

  1. RICE処置
    • Rest(安静): 可能な限り患部を休ませる。
    • Ice(アイシング): 15〜20分程度、患部を冷やす。これを1日数回行う。
    • Compression(圧迫): 弾性包帯などで軽く圧迫する。
    • Elevation(挙上): 患部を心臓より高く上げ、腫れを抑える。
  2. リハビリとストレッチ
    回復が進むにつれて、軽いストレッチや筋力トレーニングを始めます。無理に早く復帰しようとすると再発のリスクが高まるため、専門家の指導のもとで段階的に進めることが重要です。
  3. 物理療法
    電気治療やマッサージなどの物理療法が回復を促進する場合があります。
  4. 医師の診断
    重度の肉離れの場合、MRIや超音波検査で筋肉の損傷具合を確認し、手術が必要なケースもあります。

予防

  • 十分なウォームアップとストレッチを行う。
  • ハムストリングスの筋力強化と柔軟性向上を図る。
  • 正しいフォームで運動を行う。

肉離れの程度によって回復までの期間が異なりますが、軽度の肉離れなら数週間、重度の場合は数ヶ月かかることがあります。